米三冠に日本馬多数登録

凄い時代になりましたね。これもひとえに昨年のラニの活躍があってこそなんだと思いますが、今年はアメリカの三冠競争に日本馬9頭が登録。これまでも登録していただけの馬はいたのかも知れませんが、これだけの頭数が登録してニュースとして配信されるということは、それだけ米三冠挑戦が身近な選択肢になったという事なのでしょうね。

登録馬はこちら。

アディラート    牡3 須貝尚介 栗東
エピカリス     牡3 萩原清  美浦
コーカス      牡3 藤原英昭 栗東
タスクフォース   牡3 須貝尚介 栗東
ハイランドピーク  牡3 土田稔  美浦
フォギーナイト   牡3 堀宣行  美浦
マイブルーヘブン  牡3 高橋義忠 栗東
モンサンレガーメ  牡3 牧光二  美浦
レヴァンテライオン 牡3 矢作芳人 栗東

せっかくなので一頭ずつ見ていきましょう。

・アディラート(父ルーラーシップ)
ここまでダートは2戦2勝。未勝利勝ち、はこべら賞ともに非常に強い内容でした。2戦とも7F戦ですが、父ルーラーで母父マンカフェなら血統的には距離は大丈夫そうですかね。スタートから出していくタイプなので、各馬がガンガン先行するアメリカ競馬にも合っていそうですし、とりあえず次走のヒヤシンスSは豊さんということで鞍上も魅力的。是非アメリカに持っていって欲しい一頭です。

・エピカリス(父ゴールドアリュール)
デビューから3戦3勝で全て1秒以上突き放しての圧勝。ここまでを見る限り大物感は相当なもの。プラタナス賞から中一週で北海道に持っていって北海道2歳優駿を大楽勝ですから、連戦を苦にしないタイプだとすると米三冠向きとも言えそうですよね。既にUAEダービー参戦も表明していますし、非常に楽しみです。

・コーカス(父ストリートセンス)
前走はかなり特殊な流れだったので何とも言えませんが、2走前のカトレア賞でモンサンレガーロと同じ上がりで0秒2差の2着はまずまずの好内容。ただ、距離はマイルかそれ以下の印象。モハメド殿下じゃなければ米三冠の登録することはなかったんじゃないですかね。

・タスクフォース(父ワークフォース)
この血統、この戦績で米三冠ですか…… といった感じ。ダート馬というより、ワークフォース産駒でスピードが足りないから日本の軽い芝は合わずにダートを使ってるようなタイプに見えます。次走予定がヒヤシンスSの前週の自己条件なので本気で遠征するつもりはないのかなと。

・ハイランドピーク(父トーセンブライト)
確かに未勝利勝ちの前走は強かったです。逃げて上がり最速で8馬身差。勝ち時計も優秀。それも、最後に流す余裕があってのもの。あれを見ると登録したくなった島川オーナーの気持ちもわかるかも。ただ、次走は今週末の自己条件を予定しているので、行くとしたら中2週でヒヤシンスS参戦で勝つか、ドバイや現地でポイントを獲得するしかないんですよね。トーセンブライト産駒が米三冠を走ったらそれだけでも何か嬉しくなりますけど、現実的には難しいのかな。

・フォギーナイト(父タピット)
セレクトセールで2億3000万円(税抜)のタピット産駒。それだけの期待馬ですから、まぁ登録自体は驚くことではありません。が、初戦で手綱を取ったムーアは一定の評価はしていたものの絶賛するほどではなかったんですよね。何より現時点で1勝馬なので、ヒヤシンスSがフルゲートで抽選になったら出られない可能性もあるわけで…… 無事ヒヤシンスSにゲートイン出来ればいいんですけど。

・マイブルーヘブン(父ルーラーシップ)
前走は前記コーカス、タスクフォースと同じレースで、この中で一番後ろの着順。コーカスのところで書いたようにかなり特殊な流れだったのでそれだけで見限ることは出来ませんが、未勝利勝ちの内容もそこまでインパクトのあるものではありませんでしたし、よくこれで米三冠に登録したなと。母父フサイチペガサスなので血統的には面白いんですけどね。

・モンサンレガーメ(父ケイムホーム)
是非アメリカに持っていって欲しいランキング個人的1位はこれ。既にカトレア賞勝利で40ptを手にしているので、ヒヤシンスSはカトレア賞2着のコーカス以外の勝利なら仮に2着でも日本馬トップのポイントで出走が可能に。遠征して欲しい理由は、もちろん木幡巧也です。米国三冠挑戦を表明し、その際に、デビュー2年目の若手を大抜擢。このオーナーの心意気は一競馬ファンとして心が熱くなりました。競馬がビジネスである以上、勝利至上主義になるのは仕方のないことではありますが、やはりこうやって若い人に経験を積ませて育てようというオーナーは尊敬しますし、競馬界の未来を考えても非常に重要なことだと思います。正直、ポイント的には有利な立場とはいえ、ヒヤシンスSはとにかく強力なメンバーですし、もし行けてもケイムホームにジェイドロバリーという血統で米国三冠は高い壁だとは思いますが、巧也のためにも、男気溢れるオーナーのためにも、是非とも挑戦権を掴み取って欲しいと思います。

・レヴァンテライオン(Pioneerof the Nile)
函館2歳S覇者でダートは未経験の同馬ですが、よくよく考えてみると、むしろ何故芝でおろした? という疑問が。父が米三冠馬アメリカンファラオの父でもあるパイオニアオブザナイルで、母の父はBCクラシックをレコード勝ちのゴーストザッパーですからね。もし、ヒヤシンスSを勝って権利を取れたら現地で大化けしてもおかしくないかも。

以上、米三冠登録馬についての勝手な見解です。しかしまぁ、ヒヤシンスSは凄いメンバーになりそうですよね。米三冠に登録していないダートの有力馬もいますし、今のところ全日本2歳優駿勝ちの牝馬リエノテソーロ以外の上位馬が全部出てくる感じですから。ケンタッキーダービーのポイントシリーズにも組み込まれたわけですし、これはもう重賞にするべきですよね。ホープフルSをGIにするよりこっちを重賞にした方が意味があると思うんですけど、ホントJRAのやる事はよくわからないことが多いですね。

あ、ちなみに今日のTCK女王盃は公開した予想がダダすべりしましたが、本命予定だったマイティティーの馬体が全然戻ってなかったので馬券は買わずに見てました。ホワイトフーガは鉄板じゃない、という部分の読みは当っていたもののリンダリンダ2着はさすがに買えなかったのでケンで正解。それにしても故障っぽい感じで競争を中止したトーセンセラヴィが心配ですね。前走で負かした相手が2着ですから無事ならもしかしたらというのもありますし、ひどい怪我でなければいいのですが。

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