【スプリングS】2歳王者は微妙……

皐月賞トライアルのスプリングS。今年で第66回ですから歴史は相当に古く、歴代勝ち馬も名馬揃い。近年だけでもキタサンブラックにオルフェーヴル、メイショウサムソンの名があり、00年以前ならバブルガムフェローにナリタブライアン、ミホノブルボンなと。王道のステップと言っていいでしょう。

その中でも特に有名なのが87年のスプリングSでしょう。そう、マティリアルです。先行抜け出しこそが王道の競馬とする岡部幸雄が「ミスターシービーしちゃった」と、かつての三冠馬の追い込みになぞらえて苦笑したレースは、今も競馬ファンの語り草となっている。中山の短い直線でみせた豪快な追い込みは観る者全てを魅了したと言ってもいいでしょう。

有名な追い込みといえば、前述ミスターシービーの菊花賞やブロードアピールの根岸Sなど幾つかありますが、このマティリアルのスプリングSも間違いなくその一つ。いま映像を見返しても本当に凄い脚ですよね。まぁ、実際には他の馬が止まったという部分の方が大きく、マティリアル自身がそれほど速い上がりを使っていたわけではないのですが。

さて、そんな日本競馬史に残るレースになるかどうかはともかく、今年のスプリングSもそれなりに見応えはありそう。というか、2歳王者の始動戦にも関わらず結構人気が割れそうで、配当的にかなり面白くなりそうな予感がしています。

そこで、本命に推すのが◎ウインブライト。デビュー2戦は馬体面がまだどこか頼りない感じで、レースでも幼さを見せるところがあり6,5着に敗戦。しかし、一度放牧を挟んだ事で頼りなかった馬体が充実。これで力が発揮できるようになったのか、そこからは1,2,1着と高め安定。一戦毎に馬体も増え、前走は初戦よりも22kgも増えていての完勝ですから、ここにきての充実度は目を見張るものがあります。現状では本番の出走が不確かな2勝馬にも関わらず、陣営は「本番を見据えた仕上げ」と最低でも優先出走権は取れると言わんばかりですし、そこの言葉通りここは最低でも3着は確保してくれると信じたいと思います。

対抗は◯アウトライアーズ。◎を2着に負かしたひいらぎ賞の勝ちっぷりが圧巻で、3着に負けた百日草特別も、1着アドマイヤミヤビ、2着カデナなら、折り合いを欠きながら0秒1差はむしろ評価が上がるところ。能力的にはこれを最上位にとってもいいくらいだと思います。ただ、前記した通り、折り合い面に課題を残しており、その点で休み明けの今回はちょっと割り引き。「狭いところにいると力んでしまう」という点も中山だと気になりますので。

単穴評価の▲トリコロールブルーは、◎とは異なり「ここで何とか権利を」という意気込みが、ペルシアンナイトで皐月賞が決まっているミルコに騎乗依頼をしたところに感じられます。ユーイチがあっさり手放しておりあたり本番での期待度は微妙なところですが、ステゴ産駒で小脚が利きそうなタイプなので中山替わりは歓迎かと。

以下、△にプラチナヴォイス、モンドキャンノ、と2歳王者のサトノアレス。正直、サトノアレスは取捨に迷いました。朝日杯FSは内容自体は悪くないけど、時計は平凡だし、上がりで2着馬に負けてるし、実績ほどの信頼感はないような……。ただ、まぁこの相手ならそこまで恥ずかしい競馬にもならないかなということで一応△に。

◎:ウインブライト
○:アウトライアーズ
▲:トリコロールブルー
△:プラチナヴォイス
△:モンドキャンノ
△:サトノアレス

少頭数で人気馬ばかりに印が付いてしまったので、馬券は◎軸の馬連を中心に、3連系は◎◯の2頭軸で勝負します。

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