今週末から3kg減

 競馬界には“1月から12月”という一般的な暦の他に、独特の暦が存在します。ひとつは日本ダービーを区切りとした暦。ダービーの翌週から新馬戦が始まり、ダービーでひとまずの完結を迎える世代のドラマ。厩の人間にとってダービーは特別中の特別ですから、騎手や調教師の方なんかには、この感覚で一年のサイクルを捉えている人が多いですよね。

 そして、もう一つが定年や新人のデビューの区切りとなる3月から翌2月までの暦です。騎手に定年はありませんが、調教師の先生は70歳の誕生日のあとの最初の2月末が定年の日。ご存知の方も多いと思いますが、今年も柴田政人師など8人の調教師が定年を迎えました。

 そして、翌3月から新たな調教師が新規開業となり、さらに競馬学校を卒業した新人ジョッキーも、3月の最初の開催でデビューを迎えることになります。今年は岩田騎手の息子さんもいる競馬学校卒業生7人に加え、いわゆる逆輸入ジョッキーの藤井勘一郎騎手もいて話題性は十分。現場の評判も上々のようで、彼らの手綱は非常に楽しみではあるのですが…、そうした新顔を差し置いて、どうしても気になってしまうのが菜七子騎手。

 この区切りで、以前ここでも書いた負担重量の新規定が適用開始となるため、菜七子騎手は今月から3kg減になるんですよね。これはもう楽しみというほかないでしょう。だって、1kg減になってけっこう苦労してた感じはあるけど、2kg減のときはポンポン勝ってわけで、それが3kg減なんてなったらいったいどれだけ勝ち星を量産することになるのか。

 もちろん、まだまだトップジョッキーと言えるほどの技術も腕力も体力もないかも知れませんが、それでもデビュー当時よりは格段に上手くなっていますから、今のその状態でデビュー当時と同じ3kg減はヤヴァいですよw 案の定、騎乗依頼は殺到しているようで、今週末は土日とも小倉で計17鞍に騎乗予定とのこと。ただ、そこで凄いなぁと思うのが、減量特典のない特別戦でも6鞍中4鞍で依頼が来ているというところ。減量特典ばかりが話題になる状況で、これはいちファンとして嬉しいですね。平場での勝ち星量産はもちろんのこと、減量が関係のない特別でもきっちり結果を残して、減量だけで勝ってるんじゃないってところを見せて欲しいものです。

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