JRA禁止薬物問題
金曜日の夜に週末の重賞2鞍の予想をおおよそまとめ就寝。翌日に最終的な予想をアップしようと思っていたところ、土曜の朝一にまさかのニュースが…。それにより予想をゼロからし直す必要に迫られましたが、もはやそんな時間もなかったので先週は予想の公開はなしとさせていただきました。
これをご覧の方であれば既に事件の詳細はご存知の事と思いますが、一応簡単に。
JRAは15日、土日で計156頭の競走除外馬の発生を発表。JRA関連会社を含む複数の流通業者から販売されていた競走馬の飼料添加物(サプリメント)から、興奮作用や強心作用のある禁止薬物テオブロミンが検出されていたことが判明したからで、JRAは公正確保の観点から、それを摂取した可能性のある156頭すべてを競争除外としました。
禁止薬物の混入が発覚したのが金曜日では、全頭検査している時間的な余裕などあるはずもありませんから、この処置は仕方のないこと。除外する事が決まった後も、除外対象馬がネット投票では買えてしまっていたのはファンに対してあまりに不誠実と言わざるを得ませんが、夜間のネット投票だけなら返還も容易だけに、その他の対処に追われてこれが後手に回ってしまったことも理解できなくはないです。そもそも公表すればとてつもない騒ぎになることが目に見えていた事案を(当たり前ですが)隠蔽せず、しっかり発表して即座に対処したことは評価していいと思います。
問題の禁止薬物テオブロミンの残存期間は通常2~3日程度で長くても10日ほどとの事なので、おそらく今週以降の競馬に影響を与えることはないでしょう。ただ、今回のことでJRAがどの程度の補償を行うのかは気になるところ。出走を予定していた馬(関係者)への手当は当然として、それにかかった遠征費用なども補填されるのでしょうか?
気の毒なのは、出走を予定していた馬の関係者。調教師、厩務員、騎手、生産者、オーナーすべてがそうなのですが、個人的には安田隆行調教師のコメントが他人事ではなく非常に刺さりました。それは「(土曜函館5Rの新馬戦に使う予定だった)レッドヴェイパーの会員さんも内地から来ているし…」というもの。
そりゃ関係者は皆さん本当に気の毒ですけど、東サラは1/40の高額クラブとは違う1/400のクラブなんですよ。会員さんにも色々いるでしょうけど、1/400のクラブって別にお金持ちじゃなくてもわりと普通の競馬ファンでも手軽にできちゃうもので、そんな普通の会社員とかの会員さんが、愛馬のデビューだっていうので貴重な休日に高い旅費を払って函館まで見に行って。その結果がこれでは泣くに泣けないですよね。管理人も一口やってるので、これがもし自分だったらと思うと…、本当にせつないです。そして、そんな会員さんのことまで気遣ってくれる安田隆行先生は本当に素晴らしい人だと好感度が上がりました。今年は安田隆行厩舎に入厩予定馬に出資しようかなと思います。
話が逸れましたが、今回の事件は一言で言えば人災。生産業者、流通業者、そしてJRAの杜撰な管理体制の問題。精力的なPRで着実に競馬ファンの底上げが進んでいるというのに、こんなことでネガティブな話題が一般ニュースとして取り上げられるのは競馬ファンとして本当にやるせない思いです。まずはしっかりと説明責任を果たし、その上で徹底した再発防止策をお願い致します。