【ドバイワールドカップデー】に向けて その①
その日が近づくにつれて、徐々に遠征する日本馬の陣容も見えてきましたね。
昨日は、フェブラリーSを勝ったゴールドドリームが追加登録をしてワールC参戦の意向を表明しました。これで、現時点でワールドCに挑む日本馬は、アウォーディ、アポロケンタッキーも続いて3頭目。さらに、現地の前哨戦・マクトゥームチャレンジラウンドIIIを走るラニも、そこで結果が出れば次走がワールドCになる可能性もあり、俄然楽しみになってきました。
ただ、その楽しみに水を差すというか、むしろさらに楽しみになったというか、非常に複雑な気持ちにさせてくれたのが「アロゲート、ドバイWC参戦」の一報。
ほんの半年ほど前までは無名の存在だったのが、重賞初挑戦だったGIトラヴァーズSを13馬身差+トラックレコード(TR)で圧勝すると一躍アメリカ競馬界のスターホースとなり、「歴史的一戦」と銘打たれたブリーダーズカップクラシックでは、14年の米2冠馬で昨年のドバイWCを圧勝したカリフォルニアクロームを一蹴。さらに、今年新設された世界最高賞金額のペガサスワールドカップもTRで圧勝という紛れもない現役最強馬です。当初、ドバイWC出走には否定的な陣営だったのが、ここにきてドバイ遠征を明言。日本馬にとってはこれ以上ない難敵が参戦することになりました。
正直、勝てる気がしませんね。前述カリフォルニアクロームや、一昨年の米三冠馬アメリカンファラオなど、ここ数年スーパーホースが立て続けに誕生しているアメリカ競馬ですが、そんな中でもこのアロゲートは突出している印象すら受けます。いかにもアメリカ競馬らしいテンからガンガン飛ばすスタイルなので展開の紛れも期待できませんし、いやはや日本馬はこの最強馬相手にどう立ち向かっていけばいいのか。下手にこれを負かそうと追いかけていったら壊されるんじゃないか?なんて不安すら感じます。
一つ気になるのは、時期を同じくして参戦を表明したゴールドドリーム陣営。はたしてアロゲート参戦を知った上での追加登録だったのかどうか。「今年のメンバーならチャンスあり」と見て追加登録したら、その後に「アロゲート参戦」とかだったら、なんとも間の悪いことになりますよね。
もちろん、競馬に絶対はないので日本馬もノーチャンスではないですけど、これまでの日本馬の海外遠征の中でも、最も高い壁が今回のような気がします。こうなれば、「少しでも日本馬の馬券が売れてアロゲートのオッズが少しでも上ってくれれば…」とドライな目で観るのが正解なのかも……