2019年度競馬番組等について発表①

 来年度の番組編成等についてJRAから発表がありました。主な内容は以下の通り。

■1月5日の金杯から開幕
■12月28日のホープフルSで閉幕
■3日間開催は4回(1,4,9,10月)
■リステッド競争の格付け開始
■降級制度の廃止
■競争条件の呼称変更

 これの他に、葵Sが新設重賞から重賞表記に、今年はJBC競争の実施に伴い休止していたみやこSの復活する、といった感じ。まぁこの2つはいいとして、上の6つの中には未だに納得の出来ないものも幾つか散見されます…

■1月5日の金杯から開幕
■12月28日のホープフルSで閉幕

 2019年の競馬は1月5日(土)に東西金杯で幕開け。これはいいでしょう。いきなり三日間開催だった今年や、5日(木)の金杯から中1日で土日の通常開催だった去年よりはバランスが良い気がします。ま、曜日の兼ね合い次第だから変則的になるのも仕方ないんですけど。

 ただ、やっぱり12月28(土)のホープフルSが締め括りってのはどうしても納得がいかない。28,29日の土日開催は、おそらく地方競馬(東京大賞典)との絡みから難しいってことで、有馬記念をその前の日曜にもってきてるってことだと思うんですけど、別に22日がラストでよくない? オルフェーヴルが勝った有馬記念は22日だし、管理人が現地で絶叫していたサクラローレルの時も22日だし、他にも22日以前に有馬記念が行われたケースなんてたくさんあるんですよ。それが今になって「金杯まで間隔が空き過ぎるから」なんて理由で、到底GIレベルにない似非GIを無理くり最後に持ってくるなんて愚策もいいところ。時の流れのなかで作られるドラマこそが競馬の魅力。締め括りが低レベルな2歳GIなんてテンションが下がるだけですよ。

 それでも、競馬がやっていれば馬券を買ってしまうのが競馬ファン。だから売上はそこそこ出ちゃうわけで…。であれば売上至上主義のJRAがこれをやめることはないでしょう。いや、ほんと最悪です。日本の年末の風物詩にケチをつけたJRAの罪は重いと言わざるを得ません。

■3日間開催は4回(1,4,9,10月)

 これはまぁいつも通り。ただ、詳しくは割愛しますが、数年前からローカル開催、主に北海道シリーズの開催が減っているのは「規定の開催日数を三日間開催などで少しでも多く中央4場に振り分けるようにしているから」という側面があり、これはいかがなものかと。結局はこれもJRAが売上至上主義だから。今の日本はとんでもない猛暑なんだからさ、函館と札幌の開催はむしろ増やすくらいしたほうが、少なくとも人と馬のためになるはずなんですよ。でも、人と馬のためになっても、売上が落ちてお金にならないなら、JRAは絶対やらないですよね…

■リステッド競争の格付け開始

 もともと海外競馬が好きで観ている人間からすれば、リステッド競争の追加は特に違和感はありません。が、そうではない競馬ファンからしたら、リステッド? 何それ? ってなりませんかね? リステッド競争を日本的に表すのが「準重賞」という表記。これは地方競馬なんかでも使われてますよね。だったら、準重賞でよくない?

■降級制度の廃止

 これについても過去にも何度か愚痴ってると思いますが、これ、オーナーサイドや現場サイドからけっこうな数の反対意見が出されたなんて話も聞くんですよね。でも、そんなん無視してあっさり決定。なぜ? これで得をするのは某巨大グループとその傀儡だけでしょ。まぁ、だから決定なんだろうけどさ。

 降級制度による弊害は明らかです。弱小馬主、弱小生産者、弱小厩舎は間違いなく淘汰されます。某グループの1強体制にさらに拍車がかかります。彼らに飼われている厩舎や騎手ばかりが好成績を挙げるようになります。そこの生産馬、クラブ馬ばかりがビッグレースに出ることになります。その結果、競馬からドラマがなくなり、競馬がつまらなくなります。

 某グループが悪いわけではありません。企業努力ですから、それはシンプルに凄いことだと思っています。が、主催者がそれに加担するような施策をするのはいかがなものかと。それはむしろ逆ではないかと。

 JRAの言い分も正直よくわかりません。降級制度を廃止することで「高条件馬が増えてハイレベルの競走を多く提供できる」といったことを見込んでいるそうですが、条件がなんであれ走る馬はかわらないんだからレースのレベルが変わるわけがない。むしろ、頭打ちになっても同じ条件で走り続ける馬が増えればレースの質は落ちかねない。そもそも、重賞は別として、普段から平場のレースも馬券を買うようなファンからすれば、1000万下と500万下で購買意欲に差があるとは思えない。「GIだから買おう」「重賞だから買おう」はあっても、「1600万下だから馬券を買おう」「500万下だから馬券は買わない」とはならないでしょ?

 もちろん現行制度がベストとはいいません。実際、実力も実績もある4歳馬が降級直後のGIに賞金不足で出られないとかの問題もありますし。でもそれって他にいくらでも改善策はあるよね。

 降級制度の廃止は簡単に言えば弱いものいじめ。これでほそぼそとやっている生産者や個人馬主が減って、全部が全部、某グループ関連ばかりになったら、いよいよ競馬がつまらなくなりますよ。

 何より、某グループ以外の安めの馬で一口をやっている身としては、降級がなくなるのは本当に痛手。募集総額2000万円くらいまでの馬なら、500万下を2回勝って計3勝もすればペイできるわ、って感じだったのに、1000万下で頭打ちになったらそうもいかないですからね。かといってオープン行ってくれなきゃ困るレベルの馬なんて高すぎて手が出ないし…。ほんと、一部の金持ち以外には何にもメリットのない降級制度の廃止です。

■競争条件の呼称変更

・現行→変更後
・1,600万円以下→3勝クラス
・1,000万円以下→2勝クラス
・500万円以下→1勝クラス

 わかりやすい。けど、なんかダサい。リステッドがリステッドなら、こっちももっと格好いい感じに出来なかったんですかね? というか、ここまで馴染んでいるものをこうもガラっと変えられると違和感しかなくて当然。新規ファン獲得に向けてわかりやすさを追求するのもわかるんですけど、若干、既存のファンが置いてけぼりを食らっているような気がしないでもないです。

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